兵庫県で文化施設(KOBEらぼ♪Polka)を運営し、高校教員理科教員のための実験研修会を主宰されている薄井様より、以前、カタルタを活用した活動をされたというお便りをいただきました。クラス活動にカタルタを活用してみたら「入学3日後には賑やかクラス」が実現した、とのうれしいお知らせでした。ご本人様の許可のもと、レポートを当ブログに転載させていただきます。薄井様のご厚意に感謝いたします。
–(以下転載)–
2015.6.14 「カタルタ」ネタ第2弾続報その2~文化祭おわりました~完成しました!オープニングから本編、NG集、エン ドロールまで含め、上映時間18分の大作ドラマ。何と「予告編」まで作っていました。 編集スタッフのスキルの高さだけでなくチームで分業してそれぞれが「こだわり」のある仕事を時間内に形にし ようとする意識に感心。こういうことが好きな子が1人で抱えてやっちゃう、ってことになるんじゃないかと思 っていたら、全然違いました。「こうしたい」の方向性の共有や「他者の仕事を認める心」がなければこうはな りません。時間さえあればもっとやれる、という思いもあったでしょうが、間に合わせることも大切。 場面転換にカタルタをめくって「つなぎ言葉」を出していく、結構短時間で撮り終えてきたので単にめくるとこ ろを撮影したのかと思いきや、背景も見せ方も次の場面に応じて選び、落とす、はじく、ポケットから出す、物に乗せて順に映す…、前後のシーンに合わせて多彩な見せ方で飽きさせなかった。ほおぉ、と、うなる。カタルタにはこういう、人のインスピレーションを引き出す力があるんだと、実感しました。 フツーの感じを出したいから、と、シナリオなしで、シーン設定だけ確認して登場人物も背景の人物も動いてし ゃべって撮っていくスタイルを選んだ彼らが、本当に「行き当たりばったり」でもそれなりにシーンを作り上げていったことにも感心。やりたいことをその場で共有しないと決して成立しないことだから、これはうれしかった。
「今日の『撮影シーン番号』」が後ろの黒板に書いてあって、後半には「撮影済み」「未撮影」に囲みを分けて移していく方式も登場。屋外、教室、人数の要るシーン、できる日に、映画みたいにシーンをバラバラに撮って、最終的に150ものカットができていて、どうするんだ、と思ったけど、編集チームがバサバサ英断して選んで、それがちゃんとつながった。 1日間(本校の文化祭は1日だけ)で9回上映。どんどん暑くなる上映会場、当番の生徒達が客寄せ用に作った段ボールのボードを使って一生懸命あおぎ続けていました。入場者が300人を越え、映像部門で1位も取って、終礼でクラス全員で最終上映会をして大拍手。気分よかったんでしょうね、あと片付けが驚くほどテキパキしていました。
仕込み、ということばがあって、教育現場でもよく使われます。今回、入学直後の彼らに、「カタルタ」というツールを持ち込んで「面白いやん、これ」という体験をさせたこと、「仕込み」のはじめはこれだったわけですけれども、その後、このツールを巻き込みつつ、こんな展開になるなんて、持ち込んだ担任も予想すらしていませんでした。どんな文化祭にも、こういう「うれしい感じ」はあって、だから先生って仕事がやめられない、ってな モンですが、でも、今回はほんとうに、楽しかったです。
「カタルタ」面白いですよ!(またまた、最後までお読みいただきありがとうございました。)
転載元:高校生物 実験教材の広場
4月から6月半ばのおよそ2ヶ月半の間に書かれた4件のレポートを、数年の時を経た同日に記事をアップさせていただいています。季節感はそのままに、数年越しでも損なわれない熱量を感じていただけたらと思います。まとめて読まれたい方は、高校生物 実験教材の広場にアクセス後、メニューかバナーの「掲載実験一覧」をクリックし、「アクティブラーニングの視点から」という見出しをお探しください。そちらに全てのレポートが公開されています。