鎌倉の小学生の使い方を教えてもらいました(又聞き)。

鎌倉、いいところですよね。調和という言葉がよく似合います。その鎌倉に暮らす友人から、周りの小学生(高学年)がやっているというカタルタ(スタンダード版)の使い方を教えてもらいました。

基本、「ベースになる話の随所にカタルタを挟んで語る」のだそうで、一見ふつうのようですが、ポイントは「逸れた話を本筋に戻す」というルールがあることです。

又聞きなので推測で補いながら流れをご紹介します。

たとえば桃太郎をベースにして、創作を始めるとすると、「むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました」から始まる物語の途中、キリのいいところでカタルタをめくって話を継ぎ足します。そうすると、話が度々逸れたり膨らんだりすることになります。それを必ず本筋に戻すように話を考え出して挿入していくのだそうです。明後日の方向に行ってしまった話を回収して、力技で本筋に引き戻すのですから、ハチャメチャな話になりそうなのが目に浮かびます。

そのとき、ベースとなる桃太郎の話はみんな知ってるという前提があるので、どこに戻さないといけないとか、ずいぶん話が逸れちゃって大変だぞといったことが最初から共有されているわけです。(又聞きですが。)
また、自分たちで意識的に話を逸らしておいて自分たちで戻すのですから、メンバーに“チャレンジャー”たちが揃っていると、無茶振りの応酬になりそうです。それは盛り上がるのも分かる気がします。

もしかしたら、同じように使ってるという方もいらっしゃるのかもしれませんが、個人的にはやったことがなくて「新しい!」と思いました。
「着地」という使い方と少し似ていますが、最初と最後の一文だけ既存のストーリーから借りてくるのが「着地」ですから、借りてくる文量が異なります。
鎌倉スタイルだと、ずっとベースのストーリーが創作に伴走してくれるようなもので、展開が拡散しすぎず最低限は締まったものになりそうです。いや、でもそんなこともないのかなあ。ベースを吹き飛ばすほどのイマジネーションが挿入されるかもしれないですものね。

ともあれ、リラックスした中、仲のよい友達同士でやるのがよさそうな気はします。
話の本題を見失わない練習や、協力して創作を成し遂げる練習にもなりそうですね。
しかし今回、小学生が自分たちで勝手にルールを考え出して遊んでいるということこそ、とても励まされることでした。この話を聞けただけでもカタルタを作った甲斐があったというもの。じわじわきてます。

ということで今日は、鎌倉の小学生の使い方をご紹介しました。
鎌倉では、朝食屋COBAKABAというお店の雑貨コーナーでカタルタをお手にとっていただけます。家庭料理の日替食堂なのですけど、銭湯みたいなコミュニティを目指していて、地域に根ざした面白い取り組みも盛んなお店です。気になる方はぜひ訪れてみてください。




photo:大社優子

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::2016/02/25の記事を一部修正して再掲::