カタルタ・ワーク「名刺交換」を成功させる5つのポイント

今日は、シンプルながら瞬時に場を温めるカタルタ・ワーク「名刺交換」について、ポイントを5つご紹介します。

「名刺交換」というワークは、文字通り名刺交換を模してカタルタを交換し、出たワードにしたがってお題の続きを伝え合うという使い方です。カタルタがなんであるかが手短かつ効果的に伝わり、簡単なわりに高確率で盛り上がるため、カタルタのイベントでは最初に行うことも多いです。この使い方で場を活性化するときに気をつけたいポイントをご紹介します。

基本的な進め方についておさらいすると、「名刺交換」は、2人組になって名刺交換の要領でカタルタ1枚を交換し、手元に来たカタルタを使って、お題の一文の続きを語る、というゲーム感覚のワークです。制限時間内で次々と相手を交代して「名刺交換」を繰り返します。手順はこちらでもご確認いただけます。

ポイント1: お題の設定
多くの人が即興に耐えられるよう、お題はみんなの関心が強く、語る言葉を大いに持っていることがよいでしょう。代表的なものは「自分」です。「自分」に関しては誰しもが関心を強く持ち、語る言葉を持っています。かといって、あまりに大きな自由を与えられても何を話そうか迷うもの。具体的な切り口を提示して、語りのお膳立てをするのがオススメです。メインとなる体験はその後に待っていますから、少し考えたらすぐに思い浮かぶようなカジュアルな話題で十分です。ふだんよくやっていること、最近ハマっていること、昔から好きなこと、本業以外で関心のあること等々。イベント冒頭のアイスブレイクにするのなら、イベントに来た理由や、その日のテーマに関連付けるなどして、その後の時間で大切にしたいことに意識が向くようなお題にするのもよいでしょう。

ポイント2: お題の共有
プロジェクターやホワイトボードでお題の一文を掲示しておくと、参加者がテーマを見失わずにスムーズに取り組めるでしょう。たとえば、「__が大好きです」「最近うれしかったことは__です」のような穴埋め文にしておくのがオススメです。
名前だけ名乗ってカタルタをめくったり、「何歳です」「サラリーマンです」等のシンプルな属性だけ述べてカタルタをめくると、後の話が拡がりにくいカードもあります。お題を定型文で示しておくと、自然にそのような事態を避けられます。

ポイント3: 順調な滑り出しをサポート
最初にやり方を模範演技で説明すると、混乱が避けられます。たいていはそれで十分ですが、やり方が伝わっているかどうかが不安な場合は、参加者の方々にペアになってもらい、一度お試しでやってみてもらうのもよいでしょう。


姶良市立重富小学校の職員研修で「名刺交換」

ポイント4: 目標ズラし
自分の話をするのに夢中になり、ついつい長く話しすぎてしまう方も出てきます。「目標5分で5人とカタルタ交換」という目標を設定して、即興性・ゲーム性を高めるとよいでしょう。気楽に語ってもらうのが何よりです。自己アピールに力み過ぎたり、深刻に考え込み過ぎたり、自己表現に凝り過ぎたりする必要はまったくありません。そんな事態を防ぐもっとも簡単な方法が、時間制限と交換人数の目標を定めることです。

ポイント5: お題チェンジ
もし最初のお題が思ったより難しく受け止められ、語りづらそうな人が多い場合は、お題をもっと簡単なものに変更してしまいましょう。また、積極的な意味でのお題変更も考えられます。「5分経ったらお題をチェンジする」と予め伝えた上で、最初のお題とのつながりを持たせた別のお題に移行するのです。その場のテーマに近づけた内容にしたり、最初のお題で得られた気づきが活かせるようなお題にするなど、場の趣旨に合わせて考えてみるとよいでしょう。

以上、「名刺交換」を成功させる5つのポイントでした。カタルタ全体に言えることかもしれませんが、このワークの醍醐味は、視点が切り替わっていることに実感が持てることです。そして、発見の喜びや興奮が声や表情を介して伝染していくことだと思います。ぜひ試してみてください。

::2015/01/11の記事を一部修正して再掲::